では、賃貸市場の構造はどのようになっているのでしょうか。
以前は、「空室清掃」単体の仕事として受注されていましたが、現在では、賃貸物権の撤去後に、次の入居者が何の問題もなく住めるようにする工事である「原状回復工事」の一部となっています。
その工事内容は、畳の裏表替え、襖の張替え、各種内装工事、に加えて空室清掃があります。
「空室清掃」は、一番最後に行なわれる作業であり、その質の良さによって次の入居者が早く決まるかどうかの差がでてしまうので、腕の良い清掃業者の需要がかなりある、というわけなのです。
「空室清掃」の生業としている方々の腕が悪いわけではなく、入居する人達の求める基準が年々高くなっているからのようです。
現場でクレーム対応している方々は、対応できることと出来ないことがあり、それでも全く対応しないわけにはいきませんから、困っているというのが現状のようです。
こういったことがおこっている原因のひとつには、賃貸物件の「敷金」にあると考えられます。
国土交通省のガイドラインには、「空室清掃の作業代は、入居者の負担になる場合が多く、内装工事等は、入居していた方が故意過失で汚したもの以外の自然損耗の負担はない、となっています。
つまり、汚れがあったとしても、入居者は、基本的には当該箇所だけを負担し、残りは家主が負担することになるのです。
そこで、余裕のない大家さんは、空室清掃の範疇で処理してほしいといった依頼になるのです。
例えば、壁のビニールクロスの汚れは、特殊な洗剤で処理することで、綺麗になることもあれば、ならないこともあります。
綺麗にならない場合の見栄えは悪く、入居者の厳しい目には納得できないものとなるのです。
このように、空室清掃には、「品質第一」が最も重要なことなのです。
原状回復工事専門業者は、その会社がもとは何の会社であったかによって2種類にわかれます。
ひとつは、基本が内装業者の場合で、内装工事を自社内で施工し、他の作業は協力業者に依頼するのが特徴です。
そして、空室清掃も協力会社に依頼するので、原状回復工事を完了させるためには、清掃業者を確保する必要があるのです。
そしてもうひとつは、基本が清掃業者の場合です。
清掃業者が基本となっているところでは、内装工事も自社内で施工している場合が多いようです。
もちろんのこと空室清掃は自社スタッフで対応できるので、その処理能力の優位性をアピールすることができるのです。
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